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Detailed Story

自給力とは、何でも一人でできる力ではありません

食べるものを育てる。壊れたものを直す。身近にあるものを生かす。分からないことを誰かに聞き、できないことは力を借りる。

暮らしに必要なものを、すべてお金で買うのではなく、ときには自分たちの手でつくってみる。自分でできることと、誰かと協力すればできることを、少しずつ増やしていく。

私たちは、そんな暮らしの力を「自給力」と呼んでいます。

最初から、できなくていい

米づくりも、畑仕事も、古民家の修繕も、道具の使い方も、初めから知っている人はほとんどいません。

田んぼの水をどのタイミングで入れるのか。草を刈るとき、どこまで残せばよいのか。古い家を直すには、どんな材料や道具が必要なのか。実際の田舎暮らしには、インターネットや本だけでは分からないことがたくさんあります。

アルデルハウスでは、地域の人や経験のある仲間と一緒に手を動かしながら、それらを覚えていきます。見て、聞いて、やってみて、失敗したらもう一度考える。特別な研修を受けるのではなく、毎日の暮らしそのものが学びになります。

「あるもんで」つくり、「でるもんで」暮らす

ALDELという名前は、「あるもんで」と「でるもんで」から生まれました。

この土地には、使われなくなった空き家や農地、古い農機具、地域に残る知恵や技術があります。住人にも、それぞれ違った経験や得意なことがあります。新しいものをそろえる前に、まずは今ここにあるものを見つめ、何に使えるかを考える。それが、私たちの「あるもんで」です。

そして、米づくりから出る米ぬかや籾殻、畑から出る草、暮らしの中から出るさまざまなものも、ただ捨てるのではなく、次の営みに生かしていく。これが「でるもんで」という考え方です。

何も買わずに我慢することが目的ではありません。必要なものにはお金も現代の技術も使います。そのうえで、すでにあるものを工夫して生かし、暮らしの中に小さな循環を増やしていきます。

一人で完結しない自給力

自給という言葉には、一人で何もかも背負うようなイメージがあるかもしれません。しかし、米も野菜も家も、一人だけでつくり続けるのは簡単ではありません。

農業を知る地域の人に教わる。機械を持っている人に力を借りる。DIYが得意な人と一緒に家を直す。採れたものを持ち寄り、みんなで料理して食卓を囲む。

自分にできないことを知り、できる人に頼ること。教わったことを、次に来た人へ伝えること。人とつながり、力を補い合うことも、アルデルハウスが大切にする自給力の一部です。

小さな営みが、里山を次へつなぐ

一人が草を刈る。誰かが田んぼに水を入れる。みんなで古い家を直す。地域の人から教わったことを、次の人へ伝える。

一つひとつは、暮らしの中の小さな営みです。しかし、それが積み重なることで、使われなくなった農地にもう一度作物が育ち、空き家に人の暮らしが戻り、地域の知恵が次の世代へ受け継がれていきます。

アルデルハウスは、完成された田舎暮らしを提供する場所ではありません。住みながら自分でできることを増やし、その力を誰かと分かち合いながら、自分たちの暮らしと里山を少しずつ育てていく家です。